『アイボ哀歌』
 ペット探偵を副業で始めた元ペットショップの善之と真由実が今日、探さなければならないのは、アイボだった。普通のペットならまだわかるのだが、相手がロボットとなると、皆目、見当がつかない・・・アイボはペット?

 誰がなにを考えてこんな物を作ったのだろう、と驚くことがよくあります。それが予想以上に高価で、なおかつ売れていたりすると、自分の感覚の方が世間からズレているのかも、と不安になったりします。ソニーのロボットペット犬、アイボもそれでした。いくら人工知能がついているからといって20万もロボット犬に出す人がいるのか? と思ったら、いたんですね。それもかなり大勢いたんです。しかも、アイボはさらに進化を続けていて、何代目かのロボット犬がまたクリスマスに発売される、というのをヨドバシの店頭で知り、くらくら来てしまいました。限りなく犬に近いロボットを飼ってみたいと思う気持ちはわかります。ですが、アイボは専用のソフトを買って入れると、ダンスしたりするんです。これはどうなんでしょう、そこでもう私はよくわからないんです。限りなく犬に近いロボットだけでは、なぜいけなかったんでしょうか? そして、その犬に近いようでまったく違うロボット犬を受け入れる消費者がいるとなると、ペットに注ぐ愛情のもまた変化していくはずです。ノートパソコンを買い換えるとついキイボードのタッチが前のパソコンと変わっているためにしばらく戸惑うことがあります。でも、それはもうハードに合わせて、こちらの指使いを変えるしかありません。犬ではない犬に似たものをペットとする。その時、人はそれにどう対応したのか? そこでなにが起きたのか? 私の興味はそこにあります。